どうも、にきです。
この内容は書こうかどうかずっと迷っていました。
が、大きな気づきを得た経験なので書いておこうと決意しました。
こちらの記事で紹介した後輩のAさん。
そのAさんは何らかの発達障害であると思っています。
今回はAさんと関わった中でわたしが学んだこと、感じたことをまとめます。
にきは発達障害に関する専門性はありません。
今回の記事はあくまで個人的に感じたことであり、Aさん本人が発達障害であるかどうかもわかりません。
そのことにご理解いただいた上で読み進めてください。
そうでない方はどうか読まないでください。
もくじ
気づいたきっかけ
わたしがAさんに持った印象は「落ち着きがない」ということでした。
はじめのうちは4月から部署異動になったこともあり、新しい環境に慣れていないのかなと思っていました。
しかし、数か月たっても落ち着きのなさはかわりませんでした。
ナースコールへの反応がとにかく速いんですね。
これだけだと周りの状況をよくみていると感じるかもしれません。
ですが、Aさんは人の話を聞かなきゃいけない場面でもナースコールに反応したり、人の会話が気になって振り返ることがありました。
さらにだれかが後ろを通るたびに自分のイスを動かして邪魔にならないようにしたりと、とにかく周りの状況に過剰に反応している様子でした。
「そういう性格」という括りで接していたのですが、あるときADHDの患者が入院してきたんです。
わたしはADHD(注意欠陥・多動性障害)という言葉を聞いたとき、ふとAさんが思い浮かびました。
「性格」の一言ではあらわせないような、モヤモヤとしていた違和感の正体に近づいた気がしました。
特性を知る
違和感の正体をに気づいたわたしは、まず発達障害について調べました。
今やググればどんな情報でも出てきますよね。
『発達障害 特徴』とかで調べたと思います。
ネットで調べた特徴をもとに、これまでのAさんの言動や指導内容を振り返ってみました。
そしてAさんの突出している特性をいくつか考えました。↓
- 適切な優先順位をつけることが苦手
- 自分のやりたいことを優先的に行動する
- 他人のおかれている状況や気持ちを察することが難しい
- 苦手なこと(自分の考えをまとめるなど)は後回しにしがち
- 自分なりの仕事マニュアルをつくればその通りにできる
- 教えられた内容をもとにマニュアルづくりをコツコツとできる
この特性を知らなかったら正直、Aさんを1年間で夜勤自立まで導けなかっただろうと感じています。
特性を知るまでは、Aさん個人の目標ではなく「ここまでできて当たり前」のラインを目指していました。
成長しているようでまるでしていない気がして、どうやって教えたらいいのかわからなくなっていました。
もう半年経つのにあれもこれもできていない・・・1年で夜勤自立はキビシイのではないかとずっと不安がありました。
そんなときに今の教え方ではダメだと気づき、Aさんに合った教え方を探すようにしました。
「個人にあった指導方法をみつける」
思い返せばずいぶん基本的なところを見落としていました。
見落としていたポイントがわかったおかげで、優先順位が適切につけられないことに固執せず、助言をして行動できたらOKと思えるようになりました。
また、自分に合ったマニュアルをつくるなどコツコツ努力できるいい部分に気づけました。
そして自分のやりたいことを優先して患者への対応をあとまわしにしてしまうことを、Aさん自身が自覚できるよう言葉を選んで伝えられるようになりました。
発達障害の特徴を知識として得たことで、わたしの考え方がかわりAさんが成長したんだと感じます。
もし「性格」として括っていたら、Aさんの苦手な部分を克服させる指導のままでお互いに苦しいだけだったでしょう。
また、落ち着きがない=いつも通りなので、体調を知るバロメーターにもなりました。
いつもよりボーッとしてるときは、ほぼ100%体調が悪いんですよね。それか睡眠不足。
(これがけっこう当たってるんですよ。)
ってことは今日はこれ以上言っても内容が頭に入らないだろうから、
今日は教えるのセーブして早めに帰らせようとか臨機応変に対応できるようになりました。
ここぞって場面ではもちろん手を抜かず厳しいこともかなり言いましたけど・・・。
個人的にはそこまで詳しくないにしろ正しい知識を得る重要性を強く感じました。
自分の経験のみに頼っていたらたどりつけなかった結果を出せたと確信しています。
後悔していること
Aさんと関わった中でめちゃくちゃ後悔していることがひとつあります。
退職の直前までAさんは発達障害ではないかと思っていることを周りに言わなかったことです。
Aさんと夜勤をいっしょにしたある先輩が、
「ナースコールをとったのに、患者さんにはちょっと待ってと言ったあと、止まっている時計を直してもらいたいと電話しはじめた。何でそっちが先?ってことがいくつもあった。」
っていう話を聞いたんですね。
これがAさんの特性なんですよね。
まず自分がいちばん気になったことを優先していますよね。
そして、ナースコールを押した患者の状態や気持ちを察することが難しいんですね。
(患者は座っているのもしんどいから、早くベッドを下げて寝かせてほしかったんです。)
もしその先輩がAさんの特性を知っていれば、
「時計は他にもあるんだから後からでもいいと思う。あの患者さんしんどそうだったからそっちが先じゃない?」
とアドバイスできたのではないかと思ったんですね。
Aさんと関わっていく中でそういったアドバイスが必要な場面は今後もたくさんあると思います。
身をもって経験しているわたしには理解できる行動でも、そこまで深く関わることのなかった人にとっては理解できない行動なんですよね。
「何で?」としか思えなくてイライラしてしまう原因は、やっぱり知らないからなんですよね。
もっと早くに言えていたら、わたしだけでなく周りの人にもAさんの特性が理解される環境がつくれたんじゃないかな、と思っています。
「あ~~やってしまったなー。」
っていうのが素直な気持ちです。
なぜ言えなかったかというと、自分でも「まさか」と思っていたからです。
あくまでも可能性であって確定ではないことだし、そんなこと言っていいのかなと思っていました。
あと自分が仕事に行きたくない気持ちと闘うことに一生懸命だったこともありますが。
でも自分がめちゃくちゃ大変な思いをしてきたのは事実なので、今後Aさんと関わる中でやっぱり知っといてほしいと感じることは山ほどありました。
なので、1年間関わってきて気づいたAさんの特性や対処方法をまとめて直属の上司に渡しました。
そのときにはじめて、Aさんは発達障害ではないかと思っていると伝えました。
他のスタッフにも周知すると言ってもらえたので、とりあえずはよかったですかね。
個人的に感じたこと
今回の経験をとおして気づいたのは、
- まずは正しい知識を知ること
- 個人の特性を知ること
- 苦手を克服させるのではなくフォローすること
- ときには距離をとって自分のメンタルを安定させる
です。
同じ勤務が続くとフォローせねば!と思い込んで勝手にイライラすることがあったので、そんなときは一定の距離をとることも重要です。
そして関わる人は複数人いた方がいいなと思いました。
一対一だとつらいのに逃げられなくて、いちばん関わりのある人が精神を病んでしまう可能性は本当に高いなと実感しました。
教育だけでなく日々の関わり方も、個人単位ではなく全体で考えたうえで共有するのが大切だなと学びました。
今回は以上でーす。
ここまで読んでいただきありがとうございました。